公開情報

財団事業公開情報 多文化共生の推進と日本語普及 言語の調査研究活動 異文化理解の促進

事業概要報告書

第47期事業概要報告書

自 2019年4月 1日
至 2020年3月31日

はじめに

 第47期も当財団の公益目的事業である,(1)青少年の異文化理解と国際友好親善を通じての国際理解や友好促進,(2)言語の調査研究や講座を通じて言語学に関心をもつ学生,研究者などの人材の育成,(3)多文化共生のための日本語教育を通じた日本語学習の普及や地域活動,を無事に執り行うことができました。

 青少年の異文化理解と国際友好親善事業:1972年に始まったアメリカとの交流,加えてカナダ,ニュージーランド,中国,韓国へ,小学生,中学生,高校生の参加者ら総勢723名が訪問しました。外国青少年の受入れ事業は,北米,オーストラリア,中国,韓国の国々から延べ121名を受入れました。高校留学事業は,当財団会員の高校生30名がアメリカ,カナダでの約一年間の留学生活を終えて帰国し,また24名をあらたに送り出しました。米国,カナダの大学生年代を対象としたインターンプログラムは,大学生3名を招聘,1年間の日本滞在中に日本文化の研究と日本語学習に取り組むとともに,受入れ時のオリエンテーションと引率,留学生の研修合宿などにも対応しました。

 2019年4月より始まった当財団の第37期の国際交流事業のうち,2019年末から2020年初めにかけて行われたオーストラリアと中国・上海からの受入れまでは順調に推移しました。しかし2020年初頭より中国に端を発した新型コロナウイルスの感染は瞬く間に日本各地のみならず,世界各国へと広がっていきました。その影響を受け,昨夏に旅立った米国高校留学生は今年3月下旬に,カナダ高校留学生は4月初旬に帰国を余儀なくされました。両国からの帰国者は感染の有無を明らかにするために帰国後2週間の自宅待機,特にカナダ留学生はPCR検査の対象となりました。また帰国後は公共交通機関の利用が禁じられたため,米国留学生の一部は甲府と金沢まで,カナダ留学生のうち3名は,九州の福岡までラボの職員がレンタカーで送り届けました。幸い全員に感染の事実は無く済みました。一方,予定より2~3か月早く帰国をしたので,当財団の担当者とアメリカ人スタッフによるOnlineエバリュエーションを複数回行う予定です。

 理論言語の研究・教育活動 : 東京言語研究所は,1966年から言語学に関心をもつ学生,研究者などを対象に「理論言語学講座」を開講していますが,2019年度の講座は2018年度とほぼ同数の171名が受講しました。また,2017年度より始まった,遠方の方や仕事で夜間の理論言語学講座を履修できない方のための「理論言語学講座夏期集中」講義を二講座開講し,45名の受講生が全国各地より参集しました。そして地域連携事業として,埼玉県立総合教育センターでの活動を2019年度は2回開催しました。一方,新型コロナウイルスの影響で,2月と3月に予定されていた公開講座と集中講義は延期しました。

 地域の多文化共生のための日本語普及活動: ラボ日本語教育研修所は,外国人のための日本語教育「本科コース」を開講し,日本語普及に努めました。受講者数は2018年度の学生数を引き継ぎ,2019年度は東アジアを中心とした10を超える国と地域からの留学生が各学期,60~80名が受講しました。夏期短期日本語研修は,北米・ヨーロッパ・アジアの国々から42名が来日しました。地方自治体への関わりとして,川口市主催の市民講座「盛人大学」の国際コースへの講師派遣と,同市主催の日本語ボランティア入門講座への日本語教師派遣を行いました。また,(一財)日本語教育振興協会主催「令和元年度日本語学校教育研究大会」に同研修所専任講師が実行委員として大会の企画・運営に関わり,同研修所所属の日本語教師が日頃の実践の成果を発表しました。一方,新型コロナウイルスの影響で一部学生が来日できませんでした。そして3月2日から同月9日まで,一時休校いたしました。

 2019年度の事業運営はほぼ滞りなく無事に実施できましたが,年度末に発生した新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,当財団の事業も一部影響を受けました。しかし事業に関わる参加者や担当職員などの健康と安全を最優先に考え,遺憾ながらも事業の短縮,延期や中断に踏み切りましたが,結果として感染者を出すことなく年度末を迎えられました。

 第47期は前々期までに黒字決算を積んできたために,敢えて赤字予算を立てました。それは各事業の参加者に対して経済的負担をできるだけ抑えていくことと,合わせて法人としては収支相償を図っていくことを考えての上です。結果として赤字決算にはなりましたが,かかる事情であったことをご理解いただきたいと思います。

 事業を支えていただいた理事・評議員の方々,および国内外の青少年国際交流関係者にあらためて感謝申し上げます。第47期事業の概要は以下のとおりです。

1.青少年の国際交流活動~一ヶ月のホームステイ相互交流
a.アメリカとの交流

 48回目のアメリカとの青少年相互交流は,2019年7月下旬より1ケ月間,引率者を含め中学生・高校生の当財団会員535名が米国25州を訪問しました。提携団体は米国4-Hクラブ・ペン シルバニア州メノナイト協会・ユタ・プレミアム国際交流協会の3団体です。
 同年7月上旬,米国15州より引率者2名と米国青少年34名が来日し,当財団会員宅にホームステイをしながら,全国各地の青少年と交流を行いました。

b.カナダとの交流

 44回目のカナダとの青少年相互交流は,2019年7月下旬より1ケ月間,引率者を含め中学生・高校生の当財団会員59名がカナダ4州を訪問しました。提携団体は日加青少年交流委員会,コンタクト・カナダの2団体です。
 同年7月上旬,カナダ3州からカナダ青少年3名が来日し,全国の当財団会員宅にホームステイをしながら各地の青少年と交流を行いました。

c.ニュージーランドとの交流

 18回目のニュージーランドとの青少年相互交流は,2019年7月下旬より8月中旬まで24日間,引率者を含め当財団会員の中学生・高校生53名が北島のタウランガとダーガビルを訪問しました。参加者は現地の学校に通学し3週間の短期留学と,雄大な自然とマオリ文化に触れる機会をもちながら,ホームステイを通じて有意義な交流を行いました。タウランガの提携団体は交流団体レッツホームステイとタウランガ市のIntermediate School, Boys College, Girls College の各学校です。ダーガビルの提携団体は交流団体のナビ・アウトドアツアーズとDargaville High Schoolです。
 同年12月中旬より2020年1月上旬までの受入れ交流も予定しておりましたが,ニュージーランド側の参加者がなかったため今期は中止になりました。

d.オーストラリアとの交流

 12月15日から2020年1月4日までの約3週間,オーストラリアの高等学校より高校生4名と引率者1名が来日し,首都圏の当財団会員宅にホームステイをしました。ラボ・ウィンターキャンプ1班にホストと参加し,ホストファミリーと日本のクリスマス・お正月を楽しみました。

e.中国との交流

 34回目の中国との交流は,2019年3月下旬から4月上旬までの10日間,引率者を含め小学高学年・中学生・高校生・大学生・大人の当財団の会員27名が北京と上海を訪問しました。提携団体は,北京月壇中学と上海外国語大学付属外国語学校です。それぞれの学校の生徒宅にホームステイをしながら中国の青少年と交流し,相互理解を促進しました。
 2019年年12月下旬から2020年1月初旬に上海外国語大学附属外国語学校から,引率者を含む6名が来日し,関西地方の当財団会員宅にホームステイをしました。2019年7月下旬から8月初旬に北京月壇中学から引率者を含む14名の青少年の来日は,中国政府による夏期渡航の制限により実現されませんでした。

f.韓国との交流

 19回目の韓国との青少年相互交流は,2019年7月下旬の11日間,引率者を含め小学校高学年・中学生・高校生など当財団会員31名がソウル市を訪問しました。韓国ラボ会員宅でのホームステイとホストとのキャンプ参加を通じて韓国青少年と交流し,相互理解を図りました。提携団体はソウルに本部を置く「社団法人韓国ラボ」です。
2019年8月初旬から8月中旬まで,引率者を含む韓国青少年26名が来日し,首都圏と九州地方在住の当財団の会員宅にホームステイをしながら,ラボ・サマーキャンプにも参加しました。

g.オレゴン国際キャンプ

 23回目のオレゴン国際キャンプは,2019年7月下旬から8月中旬まで23日間,引率者を含め当財団会員の中学生・高校生18名が参加しました。米国ノースウエストの大自然に囲まれたオレゴン州で,同世代のアメリカ青少年との交流や多彩な野外活動を通じて“自然から学ぶ”体験をしました。キャンプ体験は,参加者自身の限界に挑戦する力を試すよい機会となっています。提携団体はオレゴン州ポートランドに本部を置く「オレゴン科学産業博物館」(OMSI)です。

2.青少年の国際交流活動~一年間の長期交流プログラム
a. ラボ高校留学プログラム

 31年目を迎えたラボ高校留学プログラムは,米国国際教育派遣基準協会(CSIET)の認可基準に基づき実施され,留学生は米国国務省認定の複数の留学機関を通じて留学しました。

(1) 第31期高校留学(2018年7月~2019年6月)
 第31期の北米(アメリカ,カナダ)留学生29名は1年間の留学生活を終え、2泊3日の現地での帰国プログラムに参加した後に,米国留学生は2019年6月中旬に,カナダ留学生は7月上旬に帰国しました。(1名は,2018年11月に健康上の理由で途中帰国)

(2) 第32期高校生留学(2019年7月~2020年6・7月)
<米国留学> 米国4-H留学生7名は,2019年7月下旬に出発し,ワシントン州シアトルで1週間弱の到着時プログラムに参加した後,各州に移動しました。ASPECT留学生10名は8月初旬に日本を出発し,ニューメキシコ州アルバカーキで1週間弱の到着時プログラムに参加した後,各州に移動しました。
 新型コロナウイルスの影響を受け,2020年3月下旬~4月上旬にかけ帰国しました。

<カナダ留学> カナダ留学生7名は,2019年8月中旬に出発し,ブリティシュコロンビア州バンクーバーで1週間の英語研修を受けた後,各州に移動し,留学生活を開始しました。
 新型コロナウイルスの影響を受け,2020年3月下旬~4月上旬にかけ帰国しました。

(3) 第33期高校留学〔2020年7月~2021年6・7月)
 第33期留学生募集は,2019年4月上旬から開始され,28名が応募しました。9月に全国5ヶ所で第1次選考試験,10月に第2次選考試験が行われました。交流団体の最終的選考を終え,米国留学生13名,カナダ留学生12名が決定しました。2019年3月には全国5ヶ所で留学生・保護者を対象とした第1回留学オリエンテーションを実施予定でしたが,新型コロナウイルスの感染防止のため中止いたしました。33期プログラムの実施の有無については,2020年5月に判断する予定です。

b. 高校留学のための通信教育「ブリッジ・プログラム」

 高校留学希望者や英語に興味をもつ中学生・高校生を対象にしたブリッジ・プログラムでは,留学準備コースとして文法,読解力を高めるための8ヶ月間の通信教育を実施しています。2019年度は新たに自分の考えや思いを整理して,英文エッセイにすることを重点的に行うプログラムを,レベル別に2コース設けました。中学生からテューターを含む16名が受講しました。
 中学生・高校生のラボ会員を対象に英語力診断の「トライアルテスト」を全国各地で実施し,173名が受験しました。

c. 大学生年代の交流プログラム–インターンプログラム

 海外の大学生年代を対象とし,日本に1年間滞在しながら活動するラボインターンプログラムは,33年目を迎えました。日本人家庭にホームステイをしながら,主に地域の青少年活動への参加と日本文化の研究を通した相互理解を促進しています。日本での体験は,参加者のその後の勉学や進路選択など,人生に大きなインパクトを与えています。2019年度の概要は以下のとおりです。

<北米インターン>
 2018年9月にアメリカから2名,カナダから1名が来日し,1年間のインターン・プログラムを終え,2019年8月下旬に帰国しました。同年8月末にアメリカから3名が来日しました。ホームステイをしながら日本文化を学んでいます。(新型コロナウイルスの影響により,1名が4月上旬帰国しました。)

3.その他
a. ラボ国際交流のつどいの開催

 2020年3月から4月にかけて2020年度ラボ国際交流参加者を対象に「ラボ国際交流のつどい」が外務省の後援を得て,札幌・仙台・東京・埼玉・名古屋・大阪・広島・四国・福岡の全国9ケ所で開催を予定していましたが,2020年3月東京大学大講堂(安田講堂)で開催予定だった「ラボ国際交流のつどい」も含め,新型コロナウイルス感染症の発生を受け,開催中止となりました。受入れ団体代表のイリノイ州4-H青少年教育プログラムの責任者であるリサ・ダイアヅ氏を招聘しておりましたが来日は中止となりました。一方,アメリカ大使館やカナダ大使館,ニュージーランド大使館からは激励メッセージをいただきました。

b. 全国引率者会議の実施

 2019年5月中旬に2019年度ラボ国際交流の引率業務を行う事務局スタッフ,テューター・シャペロン,カレッジリーダー67名を対象に1泊2日での合同引率者会議を開催し,引率の役割と任務の確認,異文化対応力を身に付けるワークショップなどを実施しました。当財団の理事で児童精神科医の平野千晶氏を講師としてお招きしました。平野理事には,「失敗から学ぶ体験」について,人間の心理的成長に則したお話をしていただき,率者にとっても大変な刺激となりました。別途,同会場で全国事務局スタッフ会議,全国カレッジリーダー会議も実施しました。

c. 交流団体との合同委員会の実施

(1) ラボ・米国4-Hクラブ合同委員会

  • <秋会議> 2019年10月,米国ネバダ州ラスベガスで米国4-Hとの合同委員会が開催され,当財団スタッフ3名,青少年指導者(ラボテューター)1名,米国在住で日本人のラボ高校留学カウンセラー1名が参加しました。青少年指導者は昨今のSNSのメリットと弊害も含めた国際交流体験の必要性をプレゼンテーションし,各コーディネーターから沢山の賞賛をいただきました。
  • <春会議> 例年2月から3月にかけて行われる,翌期国際交流プログラムに関する春会議は,2020年4月にOnlineで各4-Hボードメンバーとつないで行なわれました。主には,新型コロナウイルス感染症の拡大による国際交流プログラムの中止決定通知の,双方参加者に対する周知プロセスの確認となりました。

(2) その他団体代表者とのミーティング
 2019年10月,米国ネバダ州ラスベガスにて,ユタ・プレミアム・エクスチェンジ代表者と当財団スタッフ3名がミーティングを持ち,当年度の交流の評価と課題の共有,次年度の準備に向けた確認を行いました。またその後,間島理事長と杉山事務局長がペンシルバニア・メノナイトの代表を訪問し,交流継続40年以上の功績を称え,感謝状と記念品を贈呈しました。

4.他団体への協力・支援
a. 東日本大震災の被災児童に対する自立支援事業への協力

 東日本大震災後,被災児童の継続的な自立支援を行うために,当財団の評議員でもあった故秋澤志篤氏が各国大使館と協力して立ち上げた,「Support Our Kidsプロジェクト活動」は9年目を迎えました。当財団は2012年度から同事業に協力・支援を行っており,今期も参加者報告を兼ねた支援者の会合へ参加をする予定でしたが,新型コロナウイルスの影響で中止となりました。なおこのプロジェクトは震災後10年間を実施予定期間としておりましたが,更に5年間継続することとなりました。

5.東京言語研究所の活動
a. 理論言語学講座

 1966年に開設された理論言語学講座は,言語学の基礎的な研究と基本的な教育を強化し,言語学に関心を持つ有能な人材を育成することを目的に実施しています。2019年度理論言語学講座は,5月13日から12月16日まで池上嘉彦先生(東京大学名誉教授)の「認知言語学Ⅱ」,大津由紀雄先生(明海大学教授)の「生成文法Ⅰ」等20講座が開催され,延べ171名が受講しました。また,「理論言語学講座夏期集中」講義は昨年同様に二講座開講し,松井智子先生(東京学芸大学教授)の「認知語用論」,三宅知宏先生(大阪大学教授)の講義が開催され,45名の受講生が全国各地より参集しました。

b. 春期講座

 春期講座は,2日間で受講者に現代言語学の主要な研究領域やアプローチを紹介し,受講者を魅力ある言語学の世界へ誘うことを目的に実施されています。2019年度は,4月13日・14日に15講座を開講し,全国より大学生から研究者まで94名の方々が受講しました。

c. 特別講座
(1) 公開講座

 広い視野からことばを考えることを主な目的として,ことばにかかわりを持つ様々な分野から,第一線で活躍している講師を招いて公開講座を実施しました。2019年度は2講座を開催し,85名が受講しました。第3回に予定されていた南風原朝和氏(東京大学名誉教授)の講座は新型コロナウイルスの蔓延防止のため,実施を延期しました。

  • 第1回公開講座(2019年5月25日)大角 翡氏(東京女子大学名誉教授)27名参加
    ■演題:『フィールドワーク:未知の言語との遭遇』
  • 第2回公開講座(2019年6月29日)野矢 茂樹 氏(立正大学教授)58名参加
    ■演題:『国語を学ぶ・国語を教える』
  • 第3回公開講座(2020年2月29日)南風原 朝和氏(東京大学名誉教授)
    ■演題:『大学入試改革・教育改革の中の「ことば」』※延期
(2) 集中講義

理論言語学講座では開講していない言語学の専門分野に関する講義を二日間で開催し,26名が受講しました。第2回に予定されていた木村英樹氏(東京大学名誉教授)の講座は新型コロナウイルスの蔓延防止のため,実施を延期しました。

  • 第1回集中講義(2019年9月14日,15日)西山 佑司氏(慶應大学名誉教授)
    ■講義内容:『意味の科学はどこまで可能か---曖昧表現の説明理論を求めて---』
  • 第2回集中講義(2020年3月28日,29日)木村 英樹氏(東京大学名誉教授)
    ■講義内容:『外から見る中国語 内から見る中国語--中国語・歴史探訪と文法散(三)策』※2020年度9月に延期
(3) 夏期講座

 ことばの教育に関心のある多くの方々を対象に「教師のためのことばワークショップ」を開講し,37名が受講しました。(2019年8月18日,19日)

  • 一日目:講師
  • 鳥飼 玖美子氏(立教大学名誉教授)
  • 窪薗 晴夫氏(国立国語研究所)
  • 大津 由紀雄氏(明海大学教授)
  • 三森 ゆりか氏(つくば言語技術研究所所長)
  • 二日目:講師
  • 渡辺 香代子氏(埼玉県杉戸町立西小学校教諭)
  • 寺尾 康氏(静岡県立大学教授)
  • 末岡 敏明氏(学芸大学附属小金井中学校教諭)
  • 松井 孝志氏(Sアカデミー講師)
(4) その他(地域連携事業)

 埼玉県立総合教育センターとの地域連携事業として,2019年度は2回の出張講座を実施し,当財団の東京言語研究所担当スタッフの杉沢智子が対応しました。

  • 出張講座(2019年8月20日)「読書活動推進講座」連携事業
     ・場所:さいたま文学館(桶川市)
     ・講義タイトル:演習 英語の絵本の愉しみ―CD絵本の使用をした試み
     ・対象:県内幼稚園,小学校・中学校・高等学校教職員,図書館司書
     ・参加者数:17名
  • イベント出展(2019年10月19日)施設一般公開「集まれセンター探検隊」
     ・場所:埼玉県立総合教育センター(行田市)
     ・出展内容:「ことばの持つ面白さや不思議」を体験するコーナーを設け,来場する子どもやその保護者に体験してもらいました。
     ・参加者数:約300名
6.ラボ日本語教育研修所の活動―多文化共生のための日本語普及と支援活動
a.外国人のための日本語教育
(1) 長期コース

 外国人のための日本語教育「本科コース」(週20時限)は,春学期(2019年4月8日~6月21日),夏学期(7月1日~10月4日),秋学期(10月15日~12月19日),冬学期(2020年1月14日~3月19日)を開講しました。受講者は,韓国・中国・ベトナム・モンゴル・アゼルバイジャン・タジキスタン・ミャンマー・シリア・モロッコ等の国と地域からの来日者です。学期ごとの受講者数は,60~80名でした。2020年3月に「本科コース」を修了した留学生26名中12名が日本の大学・大学院,専門学校に進学しました。日本で就職した受講者もいました。

(2) 短期コース

○北米青少年日本語研修プログラム
 北米青少年日本語研修プログラムは,日本語学習とホームステイが直結したカリキュラム構成となっています。日本語の授業は,6月17日から7月10日までの3週間,アメリカ・カナダから13歳から18歳の青少年20名と引率者1名が参加しました。

○ラングブリッジ日本語研修プログラム
 7月16日から8月2日までの3週間,アメリカ・英国・ルクセンブルグ・カナダ・フランス・ノルウェー・オーストラリア・中国国籍の15歳から18歳の青少年20名と,引率者1名が本プログラムに参加しました。カナダのラングブリッジ教育センターが運営する青少年国際交流プログラムに応募した学生の中から,日本語や日本文化に興味をもつ青少年が来日し,当財団会員宅にホームステイをしながら日本語を学びました。

b.日本語教師の養成

 埼玉県川口市より委託を受け、日本語ボランティアとして地域貢献を目指す人たちを対象に、10月2日から10月30日までの毎週水曜日、「日本語ボランティア入門」講座(全5回)を開講しました。参加者は30名でした。また、2018年から現役日本語教師を対象とした「日本語教師スキルアップ講座」は2019年度も継続して開講いたしました。5月10日~6月14日、7月6日~8月31日、10月18日~12月6日、および2020年1月31日~5月5日(ともに毎週金曜日開講)に行いました。

c.地域貢献活動

(1) 川口市・市民講座「盛人大学」への協力
石井恵理子理事と日本語教育研修所所長の黒崎誠が講師として講座を担当しました。

(2) 川口市国際交流員採用試験への協力
2020年2月に、当財団のアメリカ人職員イーマン・ランダウが、川口市の2020年度の国際交流員の採用試験の試験官として、英語の会話能力と英作文の審査に協力をしました。

d.研修・研究活動

 当研修所専任講師坂爪明穂が、(一財)日本語教育振興協会主催の日本語学校教育研究大会(2019年8月3日・4日代々木オリンピックセンターにて開催)の実行委員として企画・運営に関わりました。

e.その他

 東京女子大学日本語教師養成課程の受講学生5名を、5月13日から7月22日まで教育実習生として受け入れました。また、学習院大学からも学生2名を、10月21日から11月1日までの10日間、教育実習生として受入れました。学習院大学からは、日本語教育を学ぶ学生の授業見学も受け入れました。11月18日および11月21日に合計6名が授業を見学しました。
 2020年初めに、中国に端を発した新型コロナウイルスの影響で、4月の入学を予定していた19名のうち16名が3月中には来日できませんでした。彼らの多くはまだ来日できておらず、入学は7月以降になる見込みです。また次年度ではありますが、4月6日から行われる予定だった新学期の授業も開講を見合わせ、職員も交代での勤務としながら、自宅待機中の在校生には数週間に1度登校してもらい、健康管理と情報の周知に努めました。

7. 機関紙「ラボの世界」の発行

 広報誌「ラボの世界」は異文化理解の促進のために年4回発行し、会員や公共教育団体に配布しています。2019年度発行「ラボの世界」概要は、以下のとおりです。

a, 2019 Summer Vol.285 2019年 6月6日発行

 10代とともに~林恭子氏(登山ガイド、登山学校講師)第34回中国交流実施報告(北京・上海)、高校留学生準備合宿・現地留学生とのオンライン交流、東京言語研究所公開講座、世界の国から(ミャンマー)、世界のあいさつ

b, 2019 Autumn Vol.286 2019年 9月26日発行

 10代とともに~赤坂憲雄氏(民族学者)、夏の訪問プログラム写真速報、夏の受入れ体験報告、高校留学帰国レポート(NHK他メディアで取り上げられた原爆がロゴマークの高校への問いかけ)東京言語研究所公開講座、北米インターン文化体験報告と新アメリカインターン紹介

c, 2019 Winter Vol.287 2019年12月5日発行

 10代とともに~土井善晴氏(料理研究家)地平線白書(夏期各国訪問プログラムレポート)、Hello!インターン(アメリカ)、日本語ボランティア入門講座(ラボ日本語研究所)集まれセンター探検隊・ことばへの気づき(東京言語研究所)

d, 2020 Spring Vol.288 2020年 3月5日発行

 10代とともに~食野雅子氏(翻訳家)墨絵の国から世界を見る(本多豊國氏 墨絵画家 ラボ国際交流センター評議員就任)冬のオーストラリア・中国からの受入れ報告、世界の国から(モロッコ)カナダ高校留学カウンセラーからのメッセージ、Go Aheadスペシャル 彌富健一氏(アニメプロデューサー)

以上

○2019年度ラボ国際交流参加者状況

交流プログラム
Program
訪問
Outbound
来日
Inbound
合計
Total
年度 2019年 2018年 2019年 2018年 2019年 2018年
アメリカ交流 535 516 36 37 571 553
カナダ交流 59 39 3 3 62 42
日本語研修 21 17 21 17
北米交流 小計 594 555 60 57 654 612
LanguBridge日本語研修 21 21 21 21
オーストラリア交流 0 11 5 9 5 20
ニュージーランド交流 53 43 0 0 53 43
中国交流 27 23 6 6 33 29
韓国交流 31 31 26 32 57 63
オレゴン国際キャンプ 18 14 18 14
インドネシア交流 0 0 0 0
ラボ・インターン 3 4 3 4
諸外国 小計 129 122 61 72 190 194
アメリカ留学 17 19 17 19
カナダ留学 7 11 7 11
高校留学 小計 24 30 0 0 24 30
合計 747 707 121 129 868 836
※引率者(テューター・シャペロン,事務局スタッフ,カレッジ・リーダー)を含む。
※高校留学は引率者を含まない。