
自 2010年4月 1日
至 2011年3月31日
国際親善友好事業―青少年相互ホームステイ交流は、第39回目を迎え、6ケ国の受入れ団体との提携のもとに引率者を含め、当財団会員中高生898名が参加し、当初予定の交流事業を滞りなく終了しました。外国青少年受入れは、アメリカ、カナダ、韓国、中国、ヨーロッパ数カ国から163名が訪日し、日本人家庭でのホームステイを通じて友情を育み、受入れ家庭は家族ぐるみの国際交流の体験を通じて、相互理解と友情促進を行いました。
青少年交流プログラムなかで特質すべきことのひとつに、国内のきびしい経済状況にも関わらず、北米との青少年交流参加者が前年より約50名弱増えたことがあげられます。一ケ月の海外ホームステイによる教育的意味が、交流開始後40年近く経った今も多くの保護者にしっかりと浸透していることの証しではないかと、交流プログラムを安定的に継続させていく責任と決意をあらたにしています。
25周年を迎えた中国との青少年交流において、昨秋、東京で記念式典を行いましたが、日中両国からの交流体験者が大勢参加し、草の根交流ならではの体験者同士の家族ぐるみの交流の様子が数多く報告されました。折りしも日中政府間で深刻な問題が生じており、中国代表団の来日が危ぶまれましたが、月壇中学よりの特別代表団、中国大使館代表、日本の外務省からの代表を含め、約300名の関係者の出席のもとに記念式典が盛大に行われ、日中青少年交流の意義とその重要性を相互に確認する最良の機会となりました。
国際情勢の激変のなかで、これまで指摘されてきた参加者やその家庭、および家族をめぐる環境の変化を受けて、事前の準備活動の内容や現地対応に関し、改善を重ね、これまで交流プログラムを実施してきましたが、この39年間、大規模に安定的にほぼ同一プログラム内容で交流プログラムが実施されてきたことをあらためて誇りにしたいと思います。感性豊かな十代での異文化体験は、社会で求められる国際理解教育や異文化理解教育として意味をもち、青少年の大きな成長の糧となっています。しかし時代状況とともに交流プログラムを取り巻く環境も変化しており、これまでの経験則だけでは対応できないことも生まれています。問題の発生を避けるためには、連絡網の強化など、管理システムの充実が必要となりますが、ホームステイ交流とは、「ひとりだちへの旅」=問題にぶつかったときに、自分で考え、悩み、解決するためのプログラムであり、安易に手を差し伸べることは、「ひとりだち」の契機を奪うことになりかねません。ホームステイ交流は、開始以来、つねにこうしたジレンマをかかえながらの運営でした。このジレンマを克服するために、事前の準備活動の充実や現地受入れ団体との合同研究・研修活動などをすすめてきましたが、それらについてあらたな方向を探っていくことが求められていると考えます。
言語の調査研究活動―東京言語研究所事業は、44年目を迎え、言語学に関心をもつ学生、研究者など新進の人材育成を目的に実施され、「理論言語学講座」は、開設以来、延べ8千名を超す履修者を送り出してきました。昨今、実践的な効果や経済的利益が生み出しにくいことなどを含め、さまざまな要因により理論言語学を学ぶ受講者が減少傾向にあります。これらの言語学をめぐる環境の変化に対応するために、理論言語学講座のカリキュラムの充実や、理論言語学への誘いとしての特別講座、公開講座、集中講座などを積極的に実施いたしました。
多文化共生の推進と日本語普及―日本語教育事業では、地域での多文化共生の推進のために、川口市との提携による「ボランティアのための日本語教え方講座」の開催、(財)日本教育公務員共済会の助成による八王子市在住の外国人子弟および留学生と日本人青少年との交流行事の実施、また在日外国人子弟の日本語教育に対応するために、教材およびカリキュラム開発のための研究会を立ち上げ、学習初期を想定した30時間の「日本語教育カリキュラム案」を作成しました。
2010年3月に発生した東日本大震災や、2月のニュージーランド地震により、交流プログラムへの参加者のキャンセルや日本語教育を受講する留学生の集団帰国、来日自粛など、当法人の事業運営にも影響を与えていますが、義捐金取り組みを行い、被災された地域の人たち、およびニュージーランド政府への支援を行いました。
新公益法人への移行にむけて、評議員選定委員の選任、外務省からの認可手続き、評議員選定委員会の開催、理事・評議員の選任、新定款作成と承認などの準備を行いました。
過去39年間にわたって、交流活動の様子を年度毎に報告してまいりましたが、3月11日の多くの犠牲者と被災者を生んだ東日本大震災と原発事故は、次年度交流に向けて心をはずませている私たちに大きな陰を落としており、当財団が実施している青少年相互ホームステイ交流は、国や地域の安全・平和、および参加者とその家族の生活が安定し、身体の健康と心の平安が大きな前提になっていることにあらためて気づかされます。
次年度の青少年相互ホームステイ交流は、幸いにもほほ従来どおりの規模と内容で実施予定になっていますが、参加者には晴れやかな笑顔の出会いが待っていますが、その笑顔には実に多くの前提があることを十分に自覚し、自分なりの方法で数ヶ月前に起こったことについて笑顔の相手に伝えてほしいと願っています。
39回目のアメリカとの青少年相互交流は、2010年7月下旬より1ケ月間、引率者を含め当財団会員中学生・高校生633名が米国27州を訪問しました。提携団体は、米国4-Hクラブ、ペンシルバニア州メノナイト協会、ニューイングランド・ホームスクール連絡会議、テキサス・グローバルエデユケーション協会、ユタ・プレミアム国際交流協会の5団体です。
同年7月上旬、米国21州より引率者3名と米国の青少年52名が来日し、当財団会員宅にステイしながら全国各地の青少年と交流を行いました。
35回目のカナダとの青少年相互交流は、2010年7月下旬より1ケ月間、引率者を含め当財団会員中学生・高校生136名がカナダ6州を訪問し、カナダ青少年と交流を行いました。 提携団体は、日本・カナダ青少年交流委員会、コンタクト・カナダ、コモックス・バレー・インターナショナル・カレッジの3団体です。
同年7月上旬、カナダ4州から引率者1名とカナダ青少年17名が来日し、当財団会員宅にホームステイしながら全国各地の青少年と交流を行いました。
28回目のオーストラリアとの青少年相互交流は、2010年7月下旬より1ケ月間、引率者を含め当財団会員の高校生30名がニューサウスウェールズ州シドニーおよびキャンベラを訪問、高校生が在宅している家庭にホームステイしながらホストと一緒に現地高校に3週間通学しました。 提携団体はニューサウスウェ―ルズ州日本語教師協会です。
同年12月中旬より2011年1月上旬までの3週間、ニューサウスウェールズ州シドニーおよびキャンベラから引率者1名と高校生10名が来日しました。東北地域、および首都圏在住の当財団会員宅にホームステイしながら受入れ家庭と一緒に日本のお正月を楽しみました。
9回目のニュージーランドとの青少年交流は、2010年7月下旬より8月中旬まで4週間、引率者を含め当財団会員の中学生・高校生・大学生55名が北島のタウランガ市を訪問しました。参加者はホームステイしながら中学生は男女共学中学校に、高校生はカレッジと呼ばれる男女別の高校に通学し、3週間短期留学をしました。雄大な自然とマオリ文化に触れる機会をもちながら学校生活とホームステイを通じて有意義な交流を行いました。提携団体は、プログラム統括団体の「レッツホームステイ」とタウランガ市のIntermediate School, Boys College, Girls College, オツモエタイのIntermediate School, Collegeの各学校です。
2010年12月下旬に、引率者1名と中高生5名が来日し、関西地域の当財団会員宅に3週間ホームステイし、受入れ家庭と日本のお正月を一緒に楽しみました。ホームステイ中にウインターキャンプに参加して全国の青少年と交流しました。
25回目の中国との青少年相互交流は、2010年3月下旬から4月上旬まで9日間、引率者を含め、当財団会員の小学生、中学生、高校生、大人39名が北京と上海を訪問しました。提携団体は北京月壇中学、上海外国語大学付属外国語学校です。また、3月下旬から5日間、日中交流25周年を記念して特別訪中団(引率者を含め、大人19名)を北京市に派遣しました。中国交流参加者および、特別訪中団の参加者は、3月下旬に北京市で開催された日本ラボ・北京月壇中学校との交流25周年記念式典に参加しました。
同年7月下旬から3週間、北京月壇中学から先生1名と、生徒9名が来日、また12月上旬には、3週間、上海外国語学校から先生1名と生徒5名が来日し、それぞれ当財団会員宅にステイしながら、全国各地の青少年と交流しました。
同年10月には北京市月壇中学より校長以下4名の先生の特別訪日団が来日し、東京で開催された日中交流25周年記念「日中親善交流のつどい」に参加しました。交流のつどいには外務省および中国大使館の代表を含め、総勢300名が参加し、盛大に行われました。
再開10回目の韓国との青少年相互交流は、2010年7月下旬から下旬まで11日間、引率者を含め当財団会員小学校高学年・中学生・高校生22名がソウルとプサンをそれぞれ訪問しました。韓国ラボ会員宅にホームステイしながら、キャンプ参加を通じて韓国の青少年と交流し、相互理解を図りました。提携団体はソウルに本部を置く「社団法人韓国ラボ」です。
同年7月下旬から8月初旬まで、釜山から韓国ラボ会員15名と引率者1名が、ソウルから韓国ラボ会員15名と引率者2名が来日しました。来日者は全国各地の当財団会員宅にステイしながら日本の青少年と交流しました。
14回目のオレゴン国際キャンプは、2010年7月下旬から8月中旬まで3週間、引率者を含め当財団会員の中学生、高校生の22名がオレゴン州OMSI キャンプに参加しました。米国ノースウエストの大自然に囲まれたオレゴン州で、同世代のアメリカ青少年との交流や多彩な野外活動を通して"自然そのものから学ぶ"ことを体験しました。キャンプ体験は自分自身の限界や挑戦する力を発見するいい機会です。提携団体は、オレゴン州ポートランドに本部を置く「オレゴン科学産業博物館」(OMSI)です。
1988年に開始されたラボ高校生留学プログラムは、本年23年目を迎えました。当プログラムは米国国際教育派遣基準協会(CSIET)の認可基準に基づき実施されており、現在は、カナダの各州まで広がっています。
○第22期ラボ高校生留学プログラム(2009年7月~2010年7月)
北米(アメリカ、カナダ)に留学した参加者27名は滞りなく1年間の留学生活を終え、米国への留学生は2010年6月中旬に、カナダへの留学生は同年7月上旬に帰国しました。
○第23期ラボ高校生留学プログラム(2010年7月~2011年6月)
<米国> ASPECT留学機関への留学生6名は、2010年7月下旬に出発し、カリフォルニア州サンフランシスコで1週間の到着時プログラムに参加した後、米国内5州に移動しました。PAX留学機関への留学生11名は、同年8月中旬に出発し、ニューヨークで4日間の到着時プログラムに参加した後、米国内10州に移動しました。現在、各州のホストファミリィ宅にステイしながら充実した留学生活を送っており、本年6月中旬にサンフランシスコでの2泊3日帰国前プログラムに参加した後、日本に帰国予定です。
<カナダ> カナダ留学生6名は、2010年8月中旬に出発し、ブリティシュコロンビア州バンクーバー島で2週間の英語研修を受けた後、各州に移動、カナダ人家庭にステイしながら留学生活を送っています。本年7月上旬にバンクーバーでの2泊3日帰国前プログラムに参加した後、日本に帰国予定です。
○ブリッジ・プログラム(通信教育プログラム)
高校留学希望者を対象に留学準備コースとして英語聴解力、文法、読解力を高めるための1年間の通信教育プログラム賀準備されています。2010年度は、当財団会員の中学生、高校生65名が受講しました。
外国の大学生年代を対象に一年間、日本に滞在し、日本文化を学ぶインターンプログラムは、本年22年目を迎えました。インターンは、日本人家庭でのホームステイを通じ地域の青少年活動への参加や日本文化を学びながら相互理解を図ります。同プログラムに参加した外国青年はその後の勉学や進路選択に大きなインパクトを与え、大学卒業後、JETプログラム(英語教師助手)への参加や、外資系企業への就職などで再来日するケースも出ています。2010年度のプログラム概要は、下記のとおりです。
<北米> 2009年9月にアメリカから3名、カナダより1名が来日し、1年間の滞在を終えて、2010年8月下旬に帰国しました。2010年9月にアメリカから2名、カナダから1名が来日し、当財団会員家庭宅にホームステイしていましたが、東日本大震災後、原発問題により、アメリカ、カナダからのインターン2名が途中帰国しました。現在滞在中のインターン1名は、ホームステイをエンジョイしながら日本文化を学んでいます。2011年8月に帰国予定です。
<オセアニア> 2010年2月にオーストラリアから2名が来日し、1年間の滞在を終えて、2011年2月に帰国しました。2011年2月下旬にオーストラリアから2名が来日しましたが、3月11日の震災後、原発問題が発生したことにより1名が途中帰国しました。もう1名は、予定どおりホームスティをしながら日本文化を学んでいます。同インターンは2012年2月に帰国予定です。
○アメリカ4-Hクラブとの合同委員会
2010年11月、米国ワシントン州シアトル市で米国4-Hとの合同交流委員会が開かれ、当財団スタッフ、米国4-H交流担当者を含め、総勢65名が参加しました。異文化理解と青少年交流プログラムの運営について会議と研修が行われました。
2011年2月、ワシントン州シアトルで米国4-Hとの合同委員会が開かれました。当財団スタッフ2名と4-H代表の計14名が参加しました。本年は初めての試みでしたが、東京在住の財団スタッフ2名がインターネットを通じて同会議に参加しました。2011年度の交流と40周年行事に関して会議が行われました。
○アメリカ・ニューイングランド交流責任者との合同委員会
2010年11月、マサチューセッツ州ボストンでニューイングランド・ホームスクール担当者との合同委員会が実施されました。当財団スタッフと各州交流担当者を含め、総勢11名が参加し、夏の交流の成果と課題などを話し合い、2011年度交流の準備とその確認をしました。
○カナダ交流責任者との合同委員会
ラボ国際交流40周年を記念して、カナダ交流担当者が来日し、2011年3月に東京でカナダ合同委員会を開催予定にしていましたが、東日本大震災の影響により、残念ながら来日がキャンセルされ会議は延期されました。
○社団法人韓国ラボ訪問
2010年10月、および2011年2月に平野理事長がソウルと釜山の社団法人韓国ラボを訪問し、交流責任者や研究員と会談し、交流プログラムについて話し合いがなされました。
○4-H関係者来日
2011年3月にサウスダコタ州4-H交流責任者アラン・ランバート氏は、日比谷公会堂での「2011年度ラボ国際交流のつどい」に参加予定でしたが、東日本大震災の影響により来日を延期しました。なお、39期事業となりますが、同氏は4月に名古屋で開催された「2011年度ラボ国際交流のつどい」に参加し、4-Hを代表して参加者家庭へ激励メッセージを送りました。
新公益法人への移行に向けて、内閣府公益認定等委員会での窓口相談のための訪問を含め、評議員選定委員の選任、最初の評議員の選任に関する理事の定めに関する外務省からの認可手続き、評議員選定委員会の開催、新公益法人にむけての理事・評議員の選任、定款案の作成と承認などの準備を行いました。
財団の会員や公共教育団体に無料配布している機関紙「ラボの世界」を今後の新公益法人への移行準備に向けて、編集内容や体裁を変更し、より幅広く国際理解教育や異文化理解促進に役立つ内容を掲載するためにリニューアルしました。
2月に発生したニュージーランド大地震、および3月に発生した東日本大震災に伴い、義捐金の取り組みを行い、ニュージーランド政府と東日本の被災者へ支援しました。
1966年に開設された理論言語学講座は、言語学の基礎的な研究と基本的な教育を強化し、言語学に関心を持つ有能な人材を育成することを目的に実施されています。同講座は長年にわたり、日本における言語学教育において重要な役割を果たし、開設以来、延べ8千名を超す履修者を送り出してきました。
2010年度理論言語学講座は、5月上旬から12月上旬まで、大津由紀雄先生(慶應義塾大学教授)「言語心理学」や池上嘉彦先生(東京大学名誉教授/昭和女子大学教授)「認知言語学」など20講座が開催され、延べ145名が受講しました。
春期特別講座は、2日間で受講者に現代言語学の主要な研究領域やアプローチを紹介し、受講者を魅力ある言語学の世界へ誘うことを目的に毎年実施されています。
2010年度は、4月下旬に開催され、117名が受講しました。春期特別講座の受講者数は安定的に推移しており、当言語研究所の活動として定着しています。
公開講座は、言語学研究の裾野を拡げることが主な目的ですが、本年は、下記の4講座を開催しました。公開講座の受講生は合計145名でした。
集中講義は、一つの分野を2日間かけて集中的に学べることが出来るため、地方からも多くの受講生が集まりました。受講生数は37名でした。
2010年11月上旬、秋期特別講座として2日間「教師のためのことばワークショップ」を開催しました。大津由紀雄先生(東京言語研究所運営委員長)を中心に池上嘉彦先生、上野善道先生が担当し、講義とワークショップを織り交ぜた形式をとり、受講生同士の交流も活発に行われました。特別講座の受講生は25 名でした。
新学習指導要領では、「言語力の育成」が叫ばれており、日本の青少年にとって母語の豊かな運用力の育成は重要な課題となっています。2008年度より、慶応義塾大学言語文化研究所・大津由紀雄先生グループにこの分野の研究を委託してきましたが、本年も研究委託を継続し、現場の先生方の意見も取り入れ、より実践的な課題に取り組みました。
日本語教師養成講座は、文化庁から出された「日本語教育のための教員養成について」中の「日本語教員養成において必要とされる教育内容」に基づき編成されており、東京近郊の大学の教授による講座編成は定評があります。
第24期日本語教師養成講座は、2010年5月上旬に開講され、本科12名、選科7名、合計19名が受講しました。うち16名が教育実習を終えて2011年3月に修了しました。なお、2011年3月に日本語教師をめざす人たちを対象に「公開講座」を予定していましたが、東日本大震災の影響で延期しました。
地域への貢献活動として、埼玉県川口市から委嘱を受けて、「日本語ボランティア入門講座」を企画し、当研修所講師を派遣しました。講座は、川口市で日本語ボランティアとして地域貢献を目指す人たちを対象に3回連続の講座を開講しました。
(財)日本教育公務員共済会から50万円の助成を受け、八王子市在住の外国人年少者、大学留学生と日本の子どもたちとの交流行事を3回連続で、2010年10月に「自然とあそぼう」、2010年11月に「ことばと遊ぼう」、2011年2月に「ホームステイとわが街探訪バスハイク」を実施しました。
公立小中学校に在籍する外国人子弟の日本語教育が急務であると考えており、一昨年より、その教材およびカリキュラム開発のための研究会―JSJ年少者日本語教育研究会を立ち上げました。本年、学習初期を想定して30時間の日本語教育カリキュラム案を作成しました。
研究会の成果を踏まえて、埼玉県川口市の「かわぐち子どものための日本語教室」における教育実践の場からさまざまなことを学びました。外国人子弟のために真の自立学習支援に必要な教材、カリキュラム、指導法等、さらなる研究開発を進めるために教育実践の場で経験を積むことが必要となっています。
○長期コース
2010年度の外国人のための日本語教育「本科コース」(毎日4時限、週20時限)は、春学期(2009年4月上旬~6月下旬)夏学期(6月下旬~10月上旬)秋学期(10月中旬~12月下旬)冬学期(2010年1月上旬~3月下旬)を開講しました。
受講した留学生は、韓国、中国、台湾、ミャンマー、バングラデシュ、チベット、フィリピンの7つの国と地域から約100名です。2011年3月に「本科コース」を修了した留学生約30名中11名が日本の大学院、大学、専門学校に進学しました。
当研修所の留学生は、韓国からの学生が中心で国別比率では韓国が80%を超えています。本年度は、円高の影響により来日がきわめて困難な状況でした。2011年3月の東日本大震災の発生は在籍生や留学希望者の日本語教育受講に対して大きな障害となり、留学の取りやめ、来日の延期が続出しました。震災に関して中国や韓国内での報道が、私たちから見ると過剰とも思える内容で留学関係者に大きな影響を及ぼしました。今後、留学生を呼び戻すには、時間がかかるのと思われます。
○短期コース
2010年6月中旬より7月上旬までの3週間、アメリカ・カナダから13~19歳の青少年32名と引率者2名が「短期日本語研修」に参加しました。短期コースはホームステイと直結したカリキュラム構成になっており、宿題等を通して受入れ家庭とコミュニケーションを取りながら予習や復習ができるようにしています。
同年7月中旬から7月下旬までの3週間、カナダ・ラングブリッジセンターとの提携でアメリカ、カナダ、オランダ、オーストラリアなどから引率者1名を含む18名が「短期日本語研修」に参加しました。来日者の学習意欲は高く、来日者だけでなく受入れ家庭にとっても有意義な体験となりました。
課外授業として茶道、書道など伝統的な日本文化に触れる機会を設けていますが、近年、日本の漫画、アニメーションやファッションを学習動機とする受講者が増加しており、日本のサブカルチャーに触れながらの教室外日本語学習活動や、「三鷹の森ジブリ美術館」見学などのプログラムも取り入れています。これらの課外活動は、新旧の日本文化に触れる機会となり受講者に好評です。
以上